鳥籠の中の少女
「貴女、樋渡君の事が好きなんでしょ?」

「なっ!?そんな事.....無い」


一瞬驚いて、その後、顔を赤くした。


「私に当たらなくてもいいでしょ。この人と話したいなら話せば。暇みたいだから」


もう話す事は無いので、空を見る。

綺麗な青空。

君が逝ってしまったあのも今日みたいな夏の晴れの日の事だったね。

命日まで、あと1ヶ月。

私は君の事を忘れた事なんて1度もないんだよ。

私は君ほど好きになれる人なんてこの先一生無いの。

死んだ人は思い出ばかり綺麗にするから狡い。

君もその中の1人なんだろうね。

君は君が大好きだった空から私のことを見てくれているのだろうか?

私は姿すら見られないから、過去の思い出の写真を見るばかりなんだよ。

どうして死んでしまったの?





唯人...........






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