勇者がいた33日間(お休み)




つまりこういうことだ。

この盗聴器を使って、生徒会室を盗聴して。

それで誓約書の置き場を知って。

頭の悪いショウ君が誓約書を盗み出して。

ショウ君は中身も確認せずに、誓約書を盗んだもんだから、偽物と気づかず。

それを信じきったカケル君も中身を確認せず。

今に至る。


 どっちもミスしてるじゃん!



「双子が集めてくれた
4組の誓約書、偽物だよね?
全員存在しない名前だったよ。」

「「双子って呼ぶなっ!!」」



双子は本物の双子と思ってしまうほど、息がピッタリだった。



「じゃ本物、書いてもらってね♪」



安藤君は誓約書の束を2人の目の前に置いて、生徒会室に戻ろうとした。

僕と原田輝も後をついていく。



「よく、気づきましたね。」

「俺、勘はとびっきりいいんだよね。」



安藤君は少し上機嫌だった。



「演技するのも疲れるね。
よく双子、1日もできたな。」



安藤君は誓約書がなくなっていないことを知っていた。

焦っている安藤君…あれは演技だったってことか。

僕と元気君はすっかり騙されてしまった。



「黒田君、かっこよかったよ。
まさか胸ぐら掴んで…」

「あれは…演技です。」



安藤君はアハハと笑った。

僕は恥ずかしくなって顔を背けた。





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