勇者がいた33日間(お休み)
“ゴンッ”
何か鈍い音がした。
俺は隙をつかれ、後ろから何か重い物で殴られた。
そのまま地面に膝をついた。
「お前もこれで終わりだな…!」
かすかに開く目で見たのは、鉄パイプを振りかざしたリーダー。
さすがの俺でも、もう無理かな。
“パシッ”
一瞬、目を疑った。
だって目の前に現れたのは、黒田君だったから。
* * *
「クソッ…このっ…!?」
一之瀬君が安藤君のことを、鉄パイプで殴ろうとした時。
僕は、安藤君に当たってしまう前に、鉄パイプを片手で掴んだ。
ジーンと手がしびれる。
一之瀬君は鉄パイプを動かそうとするが、僕の力の方が強く全く動かない。
安藤君も一之瀬君も他の人も、みんな驚いていた。
そりゃ、こんな僕が
こんなこと出来てるからね…
「お前なめんなよっ…!」
一之瀬君が鉄パイプから手を離し、僕に素手で立ち向かってきた。
僕は鉄パイプを捨て、
「……グハッ!!」
腹に一発拳を入れ一之瀬君は地面に倒れてくのと同時に、僕の眼鏡も地面に落ちてった。
「…この野郎っ!!」
動ける子分たちが僕に一斉に殴りかかってきた。
僕は20人ぐらいの子分たちを1人で相手した。
安藤君はただ座って、呆然と目の前に繰り広げられる光景を見ているだけだった。