勇者がいた33日間(お休み)
「原田先輩何してんすか?」
あたしは一瞬心臓が止まるかと思った。
悪いことはしてないつもりのに、思わず驚いてしまった。
相変わらず、空気の読めない奴だな
元気は、あたしが生徒会室を覗いていたのを不思議そうに見てた。
「うっさい。
あんたには関係ないから。」
「原田先輩、言葉厳しいですよ。」
元気の扱いはめんどくさい。
適当にあしらっても、しつこく構ってくる。
男のくせして淋しがりや。
元気のような男だけは絶対嫌だな。
“ガラガラガラ”
「あれ?2人とも何してんの。」
「りょう…!
う~んとね、あのね……」
元気なんかに
構ってるんじゃなかった!
あたしは「覗きしてました」なんて正直に言えるはずもなく、返事に困っていると、
「先輩の方こそどうしたんすか!
なぜそんな傷だらけに?」
こういう時は何も考えてない元気は便利だった。
「まぁ、いろいろとね?」
安藤は顔をポリポリと掻いて、困った表情で言った。
「飛鳥先輩もどうしたんすか!?」
「まっまぁ、いろいろと……」
黒田も困った表情をした。
今はなぜか眼鏡をつけている。
その眼鏡はいつもとフレームの色が違った。
何で眼鏡かけてるのー!!
眼鏡が持つ力は凄かった。
今の黒田は全くイケメンに思えない。
「それより、先輩方!
そろそろ来ちゃいますよ!」
「やば、急がなきゃ!」
あたしたちは急いで矢野ちゃんのいる玄関に向かった。