勇者がいた33日間(お休み)



「中々来ないもんだね~。」



僕たちは教室に入らずに、廊下を何往復もする。

それはある人物と会うため。

その人物は中々来なくて、堪えきれない原田輝と矢野さんは教室に戻ってしまった。



「……おい!お前だな?
安藤涼真は。」



安藤君は小さく「来た♪来た♪」と呟き、後ろを振り返った。

そこには最後の壁、No.1蛇穴龍馬(ジャアナタツマ)がドーンと立っていた。



「お前だな?安藤涼真。」

「そうだけど。」



自然と周りには野次馬が集まってきた。

皆この後の展開が気になるようで、チラチラと2人の様子を伺っている。



「あれ寄越せよ!
何だったっけな?」



野次馬たちは、こんなとこでカツあげかと思っている。

プラス元気君もそう思っていた。


「蛇穴君ってNo.1だよね?
君にせいや……」

「そうだ!それだ!
サインしたいからを早く寄越せ!!」


「「「「えっえーーーー!!!!」」」



みんなの声が共鳴し、窓ガラスが振るえた。

みんなは天変地異が起こったような、そのぐらい驚いていた。


安藤君は、僕と元気君を見てピースサインをした。

元気君はでっかく、僕は小さくピースサインを返した。


 作戦成功☆



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