勇者がいた33日間(お休み)
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『矢野ちゃん、準備はいい?』
『うっうん。』
『来ましたよ!』
『元気君、隠れて!』
眠そうに玄関を通過するのは、蛇穴龍馬君。
僕たちは、蛇穴君が誓約書にサインをくれる作戦を実行中だ。
原田輝と矢野さんは、蛇穴君が下駄箱に来るのと同時に歩き出し、
『えーっ!!矢野ちゃん、
文化祭やりたかったの?』
『うっ、ウン。
タノシソウダシ…
あっ、オモシロソウダシ。』
僕たちは2人の様子を隠れて見ていた。
『矢野さん、
きっと大根役者に慣れるね。』
『先輩…笑っちゃダメですよね?』
僕たちは、矢野さんの演技に何にも不安は抱かずに、呑気な会話をしていた。