勇者がいた33日間(お休み)



「ほらよ、これでいいんだろ?」



蛇穴君は壁を机代わりにして、誓約書を書いた。

安藤君は誓約書を受け取り、ますます嬉しそうな顔をする。



「君の知り合いにも
書いてもらいたいんだけど。」

「そんなの簡単だ。

お前らとっとと配ってこい。」



蛇穴君は100枚近くある残りの誓約書をバッと奪って、子分に配らせにいった。

すると、蛇穴君はキョロキョロし始めた。



「……!
矢野っ!俺も……」



蛇穴君は矢野さんを見つけるなり、矢野さんの所に行った。

矢野さんと原田輝は、いつの間にか教室から出て、こちらの様子を見ていた。



「俺さ…矢野の……」



蛇穴君が近づいてくるほど矢野さんの顔はだんだんにこやかになる。



「だからさ、俺さ…」



蛇穴君は一体何を言いたいのか分からない。

好きな人と話す時、緊張するって…女子か!



「私はあなたが嫌いです。」



矢野さんはそう言うと、教室に戻って行った。

蛇穴君はピクリとも動かない。

しばらく経っても蛇穴君は動かないので、野次馬たちは教室に戻ったりした。

僕たちも付き合いきれないので、生徒会室に戻った。


 蛇穴君…お気の毒に……




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