勇者がいた33日間(お休み)
“コンコンコン”
「誓約書届けに来たんすけど。」
さっき蛇穴君と一緒にいた子分が恐る恐る、生徒会室に一歩を踏み入れた。
「わざわざありがとね。」
安藤君は椅子から立ち上がり、誓約書を受け取りにいった。
「それにしても、集めるの早いね~。」
僕は安藤君から誓約書の半分を受け取り、名簿にチェックをしていく。
「もちろんっす。
連帯プレーは得意中の得意ですから。」
子分は胸を張って、自慢気に答えた。
「蛇穴君はどうなった?」
「あれから全く動かなくて。
教室まで引きずってくの
大変だったんですよ。」
蛇穴君の気持ちは僕たちが計り知れるものではなかった。
それほどまでに、矢野さんに「嫌い」と言われたのがショックだったんだろう。
「あれで、ああなるの10回目なんすよ?
もう、諦めればいいものの…」
10回もふられ続けているのに諦めない蛇穴君って…。
きっと蛇穴君のハートは繋ぎ目だらけなんだろう。
「それじゃあ、失礼しましたっ!!」
「うん。バイバーイ。」
子分は蛇穴の元へと帰っていった。