勇者がいた33日間(お休み)



「何なんだよ、この中身?」



黒板下に置かれた段ボールに群がるみんな。

みんなの目は、何だかお土産を見る目に近かった。

大人ぶる奴も多いけど、こういう所は子供だった。



「はーい。みんな退いて退いて。」



安藤君はガムテープをビリビリと剥がした。

みんなの目はキラキラと期待するように段ボールを見つめる。

わくわく、わくわく。

安藤君の手が進む度、期待はどんどん増していく。



「はい、これ。君も、君も。」

「安藤…これは?」

「見れば分かるでしょ?
雑巾に、洗剤に、タワシに。」



段ボールの中から取り出されていくのは大量の掃除道具。


 掃除機まである…


クラス一同、肩を落とした。

期待していただけに、かなりショックが大きかった。




< 148 / 210 >

この作品をシェア

pagetop