勇者がいた33日間(お休み)



「安藤先輩!
任せてください!」



みんな嫌々ながら受け取っていた掃除用具を、元気君だけは嬉しそうに自ら取っていった。



「掃除なら元気だけでやれよ。」

「掃除とかダルすぎ…。」

「俺、制服汚したくねーし。」



そう言って荒木君はポイッと箒を投げ捨てた。



「そんなめぐみ君には、これ、これ♪」



安藤君は段ボールの中から何かを取り出した。



「ハハハッ…さとし傑作!!」

「アハッハハにあっ…似合ってるぜ!」

「こんなのつけれるかーー!!!」



荒木君は安藤君に無理やり着せられたのは、ピンクのくまさんが真ん中についたエプロン。

荒木君はプルプルと震え、エプロンを外した。

教室の中は爆笑の渦。

みんな腹を抱えながら笑っていた。



「みんなの分もあるよ…?」



安藤君の手には色とりどりのエプロン。



「「「…遠慮しときます。」」」


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