勇者がいた33日間(お休み)




 りょうは確かこっちに♪
 んっ……?



玄関付近に怪しい人影。

あたしは靴を履き替えるのをやめ、こっそりそいつに近づいた。



「……くそ~
みんなして楽しそうに…」

“ドガッ”

「あんたも仲間入りすればいいじゃん。」



りょうたちを羨ましそうに見ていたのは、カケルだった。

あたしは邪魔という意味とあと1つの意味を込めて、カケルの背中を蹴った。



「…!?」



カケルはあたしを見て、口をパクパクさせる。



「いーれーてって、ガキでもできるぞ!」

「俺はガキじゃない!
プライドを持った大人だ!」



 そのプライドが
 いらないんだっつーの!


カケルは自分から掃除をしないために逃げていた。

けど、みんなの力を合わせて頑張っている姿に疎外感を覚えた。

そして、今になって一緒に頑張りたい。


この気持ち分からなくはないけど。

子供の時には深く考えなかったことも、大人になるにつれ深く考えてしまう。


こいつらも子供のままじゃないってことか。



「双子の意気地無し。」

「あ゛ぁ?」



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