勇者がいた33日間(お休み)



「あーもう!
そんなプライドなんて捨てろ!」


“ドンッ”



あたしはうじうじカケルの背中を押した。

そのせいでカケルはバランスを崩しそうになり、前に一歩出た。




「あっ…双子!」

「いや~その~……」



カケルはこの期に及んでも、仲間に入れて下さい、たった9文字を言えない。



「えーと…」

「ホラよ。」



松木はカケルに向かって軍手を投げた。

カケルは慌てて軍手を落としそうになるが、地面には落とさなかった。



「お前だけサボるなんてずりぃぞ!」

「おー、双子も手伝ってくれるのか。
それじゃあそっち側を頼む。」



ほら、みんな深くは考えてない。

周りなんて意外と気にしていないものだ。


だけど、カケルはまだりょうたちの所に行かない。

そんなカケルにりょうは止めの一言を言った。



「早く来なよ!」

「おっおうっ!」



ようやくカケルの足は動き出した。

なんだか、幼稚園の先生になった気分。


 …幼稚園の先生か
 いいかもしんないな♪


あたしも靴を履き替えて、みんなの所へ行った。





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