勇者がいた33日間(お休み)



“ガラガラガラ”


「…!?」



僕は目を見開いて驚いた。

生徒会室には誰もいないと思っていたけど。

生徒会室のソファーに横になりながら、パソコンを操作しているショウ君がいた。


 なんて優雅な…



「どうしたんだよ、黒田。
ああそっか、コレか。」



ショウ君は1枚の青い紙をヒラヒラと揺らして見せた。


 何で知ってるのー!?
 あっ、カメラで見たのか。
 でも、何で青い紙って…



「見る?俺の新製品。」



ショウ君はきっと、新製品を誰かに見て欲しいんだと思う。

僕が、うん、と言う前にショウ君は新製品を僕に見せてくれた。



『先生、バカですか?』

『まあ、こういう時もある。』



ショウ君のパソコンには、僕がさっきまでいた場所が移し出されていた。

十文字先生は何かまたやらかしたらしい。



「気づかねーの?」



僕は、うん、と言えなかった。

だって…ショウ君のイライラ度が徐々に上がってきているのが分かったから。



「画質がよくなった…?」

「バーカ。」



 バーカ
 バーカ
 バーカ……


僕の勘は間違っていたらしい。

適当な事を言うんじゃなかった。



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