勇者がいた33日間(お休み)



「……ってこれ、俺のじゃないですか!」



元気君は蛇穴君からゲーム機を奪い、嘆いていた。



「机の中から出てきたからさ。」

「あぁぁ~最初からになってるぅぅ。」



元気君はその場に座り込んでしまった。

元気君の周りだけ、黒い影ができている。

そんな元気君を見ても、蛇穴君は悪びれるわけもなく、ぶらぶらとどこかに行ってしまった。


 かわいそうに…


元気君を哀れに思った。



「ほら、早く…って、蛇穴は?」



松木君は教室から机を5個持って出てきた。


 上には上がいた…


松木君は乱暴に机を置いた。



「蛇穴君なら、あっち方向に…」

「仕方ねぇ奴だな。」



松木君はため息をついた。



「おい、元気とか言う奴。
モップとワックス取ってこい。」



ここは年下の元気が雑用係として、松木君に命令された。

元気君は返事もせずに立ち上がり、フラフラと歩き始めた。


見るところによると、まだゲームのことを引きずってるな。



「あいつ、どうした?」



短時間での元気君の変わりように、松木君は首を傾げた。




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