勇者がいた33日間(お休み)
「フゥー…。」
僕はワックスをかけ終わった教室を見た。
艶が全くなかった床が今はピカピカだ。
下だけ見れば、いたって普通の校舎に見える。
上を見ると、僕は現実に引き戻された。
穴の空いた壁に、割れっぱなしの窓。
その割れている窓から、ピュウっと冷たい風が入ってきた。
おぉ!寒っ!
今年の冬も寒さに凍えなきゃいけないみたい。
僕は身を縮込ませたまま教室を出た。
「蛇穴君終わりましたか……!?」
僕は4組をヒョコッと覗いた。
覗いてみると、蛇穴君は大変なことになっていた。
「黒田、助けてくれ!」
蛇穴君は窓側の隅にいて、動けなくなっていた。
この様子だと、蛇穴君は何も考えずにワックスをかけたと思われる。
僕がどうしようかとあたふたしながら考えてると、
「どうしたんだよ、黒田。」
救世主!!
1組のワックスがけをやり終えた、松木君がちょうど来てくれた。