勇者がいた33日間(お休み)
「蛇穴君が教室から
出れなくなっちゃって…」
僕は教室の中を指差す。
松木君はどれどれといった感じで教室の中を見た。
「……ただのバカだろ。」
「おめぇ、もういっぺ…」
「じゃ、1人でどうにかすんだな。」
松木君がそう言うと、蛇穴君は何も言えなくなった。
「早く助けてくれよ!」
蛇穴君は上半身をめいいっぱい動かし、助けを求めた。
「それじゃあ…」
松木君の口が開くと、蛇穴君は期待の眼差しで松木君を見た。
「そっから、こっちまで全力で跳べ!」
「……ふざけんなっ!!
んなの無理に決まってんだろ!!」
教室の端から端まで約5mほどある。
助走があっても、5mを跳ぶのは不可能だろう。
不可能と分かってても蛇穴君は松木君の意見を素直に聞き、跳ぼうと試みる。
けど、やっぱり5mを跳べる脚力は持っておらず無理だった。
そこで松木君が一言、
「やっぱりバカだな。」