勇者がいた33日間(お休み)



「安藤君、終わりましたよ。」



僕たちはホールに向かう途中で安藤君と玄関で会った。

安藤君は脚立に座って壁に白いペンキを塗っていた。

ペンキの臭いが鼻にくる。


 口で息しよ…


臭いに敏感な僕にとっては過酷な所だった。



「じゃあ、みんなで
壁にペンキ塗ってくれるかな。」

「おぅ!任せとけ!」



蛇穴君は嬉しそうに袖を捲った。

ワックスがけよりもこっちの方がやりたかったんだろうな。



「元気、ペンキにハケに脚立
持ってこい!」



元気君は完全にみんなのパシりと化してた。

蛇穴君は適当にモップを床に置いた。

これが後で、悲劇を呼ぶことにななんて……



「持ってきました……あっ!!」


“バッシャーン!!”




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