勇者がいた33日間(お休み)



元気君は、蛇穴君が適当に置いたモップに足を引っかけた。

そして白いペンキは宙に舞って、蛇穴君にかかってしまった。


 この光景…さっきも…


僕はさっきのワックスのことを思い出した。

蛇穴君は全身真っ白。

もう噴火寸前だった。



「あっあっあの~……」



元気君は恐る恐る蛇穴君に声をかけた。



「このやろー!!!!!!!」

「すっすいませーん!!!!!」



2人の鬼ごっこが始まった。

蛇穴君は鬼の形相で元気君を追いかける。

まさにリアル鬼ごっこ。

元気君は泣いてしまいそうだった。

いや、あの蛇穴君を見て泣かない人はいないな。



「んなことしてないで
早く洗い流させぇと、
あいつ大変なことになるぞ。」



松木君の言葉は蛇穴君に聞こえておらず、蛇穴君は地の果てまで元気君を追いかけた。




< 177 / 210 >

この作品をシェア

pagetop