勇者がいた33日間(お休み)



「どうしたんですか、これは!?」



校舎の外見だけでなく、中もだいぶ変わっていた。

落書き、穴が無い壁はいつ以来だろう。

心なしか、学校全体が明るくなったような…。



「どうしてだろうね。」



やっぱり安藤君は本当のことを言うつもりはないらしい。



「安藤、その紙は?」



安藤君の机の上には1枚の紙が。

覗いて見るとクラスが書かれていた。



「文化祭の出し物とか書くの。

とりあえず、このクラスは
沢君主役の白雪姫だから。」

「何で劇やるって決まってんだよ!」

「黒田君のアイデア。
前やるって言ったじゃん?」



沢君は僕をギロッと睨み、安藤君はニコニコしながら僕を見た。

確かに僕は前、何やりたいと聞かれた時、劇って答えたけど。

本当に劇とは……。


これにはクラス中からブーイングの嵐だった。



「これ、決定事項だから。」



安藤君が再びそう言うと、誰も文句を言わなくなった。



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