勇者がいた33日間(お休み)
「展示の資金は1万円で
模擬店は3万円で…いいかな?」
安藤君は僕に確かめるように聞いた。
けど、僕より先に反応したのは、
「展示に1万って…
そんなにいいの?」
原田輝は金額の大きさに少し驚いてた。
「十文字先生が、
金ならたくさんある。
って言ってたから大丈夫だよ。」
普通だったら、学校で集めたお金は教材費とかにあてられるんだろうけど。
ここは勉強なんて全くしないし、使い道と言えば窓ガラスの修理とか、そのぐらい。
逆にお金が余ってなかったらおかしいと思う。
「安藤、そのままあいつらに渡すのか?」
ショウ君は不安な眼差しを向けた。
ショウ君の気持ち、分かります。
きっと、1万円渡してしまったら…
『んっ?この匂い…』
『焼き肉食おうぜ!焼き肉!』
『でもそんな金ねぇし…』
『お前何円持ってる?』
『120円』 『58円』 『352円』
『13円……あっ1万円あった!』
『よしっ!食いに行くぞー!』
きっと何か獲物を見つけたとき、1万円の本来の使い方を忘れて、使い込むと思う。
いや、絶対使い込むな…。