勇者がいた33日間(お休み)
「いいぞ、いいぞ。」
「もっとやれー!!」
周りはもっとケンカを盛り上げようと野次を飛ばす。
気づけば、他のクラスからも見物客が来ていた。
より一層激しくなるケンカ。
どうか、僕の近くには来ませんように。
きっと僕も不良の仲間入りをしてしまえば、もっと学校生活を有意義にできたかもしれない。
けど、そう簡単にここに入学してきた時の目標は崩せなかった。
ただ僕は三年間、みんなとワイワイ楽しみたかっただけなのに。
そう思ってるやつは、他にもいるに違いない。
1……1……にっ…2……
いいんだ。
あと五ヶ月我慢すれば、ここを卒業する。
二年六ヶ月も我慢してきた僕に、五ヶ月我慢することなんで余裕だ。
あと五ヶ月。五ヶ月我慢すれば……
“ドォォンッ”
「お前ら、また窓壊したのかよ。
肌寒い日が続くってのに……」