勇者がいた33日間(お休み)
一気に静まりかえった教室。
見物に来ていた他のクラスの奴は、急ぎ足に自分のクラスに戻っていく。
ケンカをしていた沢君と松木君もピタッとケンカを止めた。
「後始末もちゃんとしろよ。」
おそらく学校一最強の先生・十文字拓雄。
ケンカを推奨する、おかしなクラス担任。
“ケンカをしてもいいが、後始末はちゃんとするように”
それが初めてあった時の一言めだった。
「十文字!……先生。
そいつ誰なんだよ。」
呼び捨てにしようとした沢君を、十文字先生はギロッと睨む。
その時の先生は、どこのヤクザですか、というぐらい恐い。
例えるならば…般若だ!
「転校生。仲良くしてやれよ。」
先生の隣には、見るからに不良。
白に近い金髪に、両耳合わせて10個ぐらいのシルバーピアス。
だけど、ここにいる生徒とは明らかに違う所があった。
イケメン!!!!!
クラスの大半はきっと、そう思っただろう。
後ろの席にいる僕は、みんなの顔がはっきりと見えた。