勇者がいた33日間(お休み)



「どうして?」



安藤君は首を傾げる。



「どうしてって…
どうしてもですっ!
ここだけは止めましょう!」



僕は必死に安藤君を説得した。



「…後回しになるぐらいなら
先に済ませておいたほうが楽でしょ?」



そう言って安藤君は教室の戸に手をかけた。



“ガラガラガラ~”



「すいませーん。
頼みがあって来ました~。」



安藤君は躊躇せず、戸を開けた。

5組の人は安藤君が入った瞬間、全員で安藤君を睨み付ける。

けど、安藤君はやっぱり大物だ。

全く怯える様子はない。

むしろニコニコと笑って…。

それが相手を苛立たせる原因になっていることに、僕はうっすら気づき始めた。


 ヤバいよ~……


僕は安藤君の後ろに隠れていた。




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