勇者がいた33日間(お休み)





「つっかまえた♪」

「ヒィィ…!!」




安藤君はガッチリと逃げていた人(A君)を捕まえた。

その人はじたばたと抵抗するけど、安藤君の方が力が強く、全く無意味だった。




「誓約書、書いてくれるよね?」



安藤君は満面の笑みを見せる。




「黒田君、誓約書ちょうだい。
黒田君?」

「…はっはい…」




僕は最後の力を振り絞って、安藤君に誓約書を渡す。

そして、床に倒れた。

床はひんやりしていて、とても気持ち良かった。


さっきから走りっぱなしで、僕には体力が残っていない。

HPは0。瀕死状態だ。




「誓約書を…」

「無理だ!むーりーだ!
絶対むーりーっ!!」




A君は安藤君の腕を振り払う。




「榊が書いてないなら
俺は絶対に書けない!」




そう言って、A君は走ってどこかに行ってしまった。





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