勇者がいた33日間(お休み)
「あの人の名前…
何だったけっな~!」
「憧れてるくせに
名前覚えてないの?」
蓮の鋭いツッコミ。
はい。覚えてないです。
すいません。
「進藤だっけ?」
「嫌、何か違う。
工藤だっけ?」
「それも違うね。」
この思い出せそうで、思い出せない感じ。
歯がゆい!
ここまできてるのに、思い出せないってのが、一番イライラする。
俺はまた芝生の上に寝っころがった。
「う~ん。何だったけな…」
「安藤君!」
俺はガバッと飛び起きた。
「そうだ、安藤だ!」
あ~スッキリした。
「あの人じゃん。」
蓮は廊下を指差した。
その先には、二年の教室に続く廊下を歩いている、安藤さんがいた。
「どこ行くんだろうね。」
「よしっ。」
俺は立ち上がり、尻についた草をはらう。
「後つけようぜ。」
「いってらっしゃい。」
俺は無理やり蓮を引っ張り、こっそり後を追った。