勇者がいた33日間(お休み)
“ドンッ”
安藤君は勢いよく2年1組の戸を開けた。
教室の中にいた人の視線を一気に集めた。
2年生は何が起きているかわかっていない様子だ。
「誓約書、書いてもらうために
来ちゃいました。」
そう言って、安藤君は誓約書を取りだし、ニコッと笑った。
「んなもん書かねえし。」
固まっていた2年生の先人きって話し出したのは…
「あれ誰?」
安藤君は僕に小声で聞いてくる。
「あれが、No.6の
荒木“めぐみ”ですよ。」
「“めぐみ”じゃねえし!
“さとし”だっ!」
荒木君は机を蹴り飛ばした。
勢いよく倒れていく机の音に、僕はビクッとなってしまった。
「めぐみ君が2年の中で一番強いのか~。」
「だから!さとし、だっつうの!」
安藤君は荒木君をいじって、絶対に楽しんでいた。