勇者がいた33日間(お休み)
「「……」」
俺をバカにしていた声が一気に止む。
みんな、安藤さんのことを恐る恐る見た。
「僕、真剣な奴をバカにするのが
2番目ぐらいに嫌いなんだ。」
安藤さんはニコッと笑いながら言っているけど。
目は全く笑っていない。
「それじゃあ…」
“ゴクン……”
みんな息を飲んだ。
この緊張感は何なんだ…!
「お邪魔しました。」
「あっ、安藤君!」
安藤さんは特に何もせずに、教室を出ていった。
みんながホッとしたのがよくわかる。
多分、喧嘩になるかと思っていたのだろう。
こうみえても、喧嘩はしたくない奴らの集まりだから。
「やべぇ…俺、
殴られるかと思ったー。」
「荒木が勝てないなら
俺らが勝てるはずねぇしな。」
「今日デートだから
傷つかなくてよかったわ。」
「お前、あの子落とせたの!?」
「あったり前♪」
「まじかよー!!」
すぐに元のクラスの雰囲気に戻った。
俺は安藤さんの後を追った。
珍しく、蓮もついてきた。