毎日がカレー曜日
「んじゃ、サーチするぜ」

 スイッチを入れ、孝輔は本格的な端末を操作し始める。

 サヤが、その様子を不思議そうに覗き込んできたが、彼は無視して仕事を続けた。

 S値が感知されていく。

 しかし、それは意外と数が多かった。

 あの壷だけではない。

 この部屋中に、いくつものS値が存在した。

「なんだこりゃ?」

 簡単に言えば、この部屋にはたくさんの霊がいる、ということになるのだ。

 壷以外の陶磁器もたくさん飾ってある。

 それらのほとんどにS値があるといってもいいだろう。

「九十九神たちですよ」

 サヤは、何だか楽しそうだった。

「つくもがみ?」

 神なんていう無視しがたい言葉が出てきたことに、孝輔は驚いていた。

「はい。生まれて100年以上を経た物には、精霊が宿るのです」

 ここは、本当に古いものが多いですから。

 サヤは、ざっと部屋中を見回すような仕草をしてみせる。

「『神』という名前はついてるが、サヤちゃんのいうとおり『精霊』というほうが近いな」

 直樹は、陶磁器コレクションの中に、面白そうに手を突っ込んでいく。

 小型端末の方は見ていないが、おそらく手袋の能力によって、S値が記録されているだろう。

 まてよ。

 そこで、孝輔はひっかかった。
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