毎日がカレー曜日
「サヤくん!」
バターン!
翌日。
直樹が遅刻して出社してきたかと思うや、直線距離でサヤの元へと突進する。
キラーンと光るメガネが怪しい。
「おい、アニキ」
昨日のアレを責める気なのかと、孝輔が割って入ろうとしたが、ヤツの足のほうが速かった。
「これが、サヤくんの名刺だ! 今日からじゃんじゃん使いたまへ!」
しかし、その内容は昨日の事ではない。
分厚い束の名刺を、渡しただけだった。
「心霊コンサルタント?」
名刺を眺める彼女は、首をかしげながら肩書きの部分を読む。
「そう! 今日からサヤくんは我が社の心霊コンサルタントだ。削除せずにすむような仕事は、孝輔抜きで一緒にやろうではないか」
ハハハハハ。
高らかに勝ち誇り笑いをする直樹に、弟は椅子からひっくりかえった。
立ち直りが早いどころか、転んでもタダでは起きない男だ。
サヤの能力を、この会社で最大限に使おうと思っている。
「さあ、コンサルタント時に、私がどうパフォーマンスに持っていけるか、話し合おうじゃないか、サヤくん」
『ちゃん』から『くん』に変わったのは、格上げのつもりなのか。
「おい、クソアニキ」
我が兄ながら頭痛を覚えつつ、孝輔は彼を呼んだ。
「なんだね、愚弟くん」
火花散る応酬をしつつ、孝輔は兄に詰め寄った。
「オレ、名刺なんか持ってないんだぜ…」
順序が違いやしませんか?
ひきつる頬で聞いてみた。
「おー」
思い出したように、直樹はぽんと拳を打つ。
が。
「でも、お前が目立つと、私の邪魔になるからヤダ」
いともさっくり拒否された。
「彼女なら目立ってもいいのかよ!」
「甘いな孝輔…男と女は目立つという上では、共存できるのだよ! 男同士ではお互いが邪魔になるだけだ!」
「ワケわからん理屈並べてんじゃねぇ!」
ケンケンゴウゴウ。
技術担当・塚原孝輔。
現在もなお、E値上昇中だった。
-- 終 --
バターン!
翌日。
直樹が遅刻して出社してきたかと思うや、直線距離でサヤの元へと突進する。
キラーンと光るメガネが怪しい。
「おい、アニキ」
昨日のアレを責める気なのかと、孝輔が割って入ろうとしたが、ヤツの足のほうが速かった。
「これが、サヤくんの名刺だ! 今日からじゃんじゃん使いたまへ!」
しかし、その内容は昨日の事ではない。
分厚い束の名刺を、渡しただけだった。
「心霊コンサルタント?」
名刺を眺める彼女は、首をかしげながら肩書きの部分を読む。
「そう! 今日からサヤくんは我が社の心霊コンサルタントだ。削除せずにすむような仕事は、孝輔抜きで一緒にやろうではないか」
ハハハハハ。
高らかに勝ち誇り笑いをする直樹に、弟は椅子からひっくりかえった。
立ち直りが早いどころか、転んでもタダでは起きない男だ。
サヤの能力を、この会社で最大限に使おうと思っている。
「さあ、コンサルタント時に、私がどうパフォーマンスに持っていけるか、話し合おうじゃないか、サヤくん」
『ちゃん』から『くん』に変わったのは、格上げのつもりなのか。
「おい、クソアニキ」
我が兄ながら頭痛を覚えつつ、孝輔は彼を呼んだ。
「なんだね、愚弟くん」
火花散る応酬をしつつ、孝輔は兄に詰め寄った。
「オレ、名刺なんか持ってないんだぜ…」
順序が違いやしませんか?
ひきつる頬で聞いてみた。
「おー」
思い出したように、直樹はぽんと拳を打つ。
が。
「でも、お前が目立つと、私の邪魔になるからヤダ」
いともさっくり拒否された。
「彼女なら目立ってもいいのかよ!」
「甘いな孝輔…男と女は目立つという上では、共存できるのだよ! 男同士ではお互いが邪魔になるだけだ!」
「ワケわからん理屈並べてんじゃねぇ!」
ケンケンゴウゴウ。
技術担当・塚原孝輔。
現在もなお、E値上昇中だった。
-- 終 --