毎日がカレー曜日
「いや~、サヤちゃんのご飯はうまいな~」

 バカ口開けて、直樹はカレーを頬張っている。

 昼。

 彼女の出すタッパからカレーが出てきても、もう孝輔は驚かなかった。

 兄弟二人暮しであることを、直樹が彼女に話したというのだ。
 それで、あの朝食劇となったらしい。

 社員にメシまで作らせんなよ。

 そう思いながらも、ガツガツと食べ物を口に押し込んでいく孝輔だった。

 ここまでのところを総合すると。

 サヤはヤイバの妹で、インドから帰国したばかり。

 直樹とヤイバは親友で、仕事上預かることになったらしい。

 でも、何でだ?

「あんたのアニキって、いま何してんの?」

 普通に就職していてもおかしくない年齢の妹を、インドまで連れていったのだ。

 一緒に帰国したのなら、また手元に置いておいてもいいのではないか。

「孝輔、根掘り葉掘り人様の事情をセンサクするな! お前は探偵か!」

 カレーを飛ばしながら、兄が突っ込んでくる。

 この男の存在よりも、探偵の方が余程まともな商売だ。
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