高校の夜
「先輩の部屋ってやっぱ怖いよなー」
「そうか?」
稜真、お前の怖がるものは一体なんだ?
何をしたら怖がってくれるんだ?
俺はいまだコイツが怖がる姿を見たことがない
...コツン...
「え?」
「あ?」
2人で振り返る
後ろにはロッカーしかない
...なんだ...?
「今、音しなかったか?」
「あぁ、した」
「そういや、1年の教室のときもしたよな...?」
「あぁ...」
俺らの後をついてきてるのか...?
1年生の教室の戸締りを確認してるときも、同じ音がした
「...やべえな...」
初めて稜真が慌てた気がする
...コイツがやばいって言うなら、相当やばいかも...
俺らは2年生の教室を急いで戸締りをした
その間、俺らは見えないものに怯えていた
少しずつ、少しずつ...
俺らになにかが近付いていた
俺らもそれは気付いていた
だが、姿が見えないため分からなかった...