夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「矢口さん、さっきいらないって…。」

容赦ないな、ホントに。

「これを…ね、飲みたかったら…ね。」

自分は、持参した紅茶を出した。

「あっー、ずるい!マイ紅茶なんて!」

想像の範囲内の反応だ。

「別に、飲んでもらっても…。ていうか、むしろ飲んで。封を開けたから香りが抜けていくから。」
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