夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「ごめんな、大沢さん…。やっぱり、辞表は書くよ。」

転がり落ちた丘を登りながら、矢口さんは言った。

な、なんでそんな事を言うの?

「落ちた事で決心がついたの?」

返事ができない私の代わりに、お母さんが変な事を言った。
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