夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
ごめんなさい…。

矢口さんは所在を無くした手をしばらくブラブラさせた後、もう片方の手と一緒に頭の後ろにまわした。

「お母さんの言う通りに、一度書いてみて…、それを直ぐに出すか、少し間を置くかは、その時の自分にきくよ。」

矢口さんの言葉に、

「なんで…なんで…。」

私は気持ちがわからなくなって、同じ言葉を繰り返した。
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