夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
赤信号で、こちらを見ている大沢さんと視線が合い、千尋さんとの会話を思い出して、自分は慌てて視線をそらした。

「矢口さん…、私はみんなのアイドルなんですか?」

あ〜あ、さっきの倉庫の話か…。

「だって、大沢さんみたいな若くて可愛い子なら、嫌いな人はいないよ。アイドル…なんじゃない?だから、もっと甘えて仕事を手伝ってもらえ。今日みたいに怪我しそうになる前にな。」
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