夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「なら、私に教えて下さい。仕事、増やされているのに一人なんて…手伝います。その代わり、私のも手伝って下さい。」

そういうことか…。
自分は黙って頷いた。

「もう…辞めるなんて…言わないで下さい。これは…。」

大沢さんが辞表を掲げた。

辞める事とは別な気もしたけれど…。

「好きにしていいよ。」

自分の言葉に大沢さんは、封筒をポーチに入れた。
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