夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「定時過ぎたし、いいだろ?」

自分は悪戯っぽく笑ってみせた。

「えっ〜、でも矢口さん最近ずっと早いじゃないですかぁ。」

彼女、大沢 優花さんも同じように笑って返してくる。

「朝は、ずっ〜と、早出だから差し引きしたらもっと早く帰ってもいいくらいだぞ。」

舌を出して言ってみた。

そんな自分を見て、呆れたのだろう。
< 2 / 214 >

この作品をシェア

pagetop