夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「なるほどね…、最近の会社のやり方がさ…。入社してから自分がやってきた事を否定しててさ…。じゃ、自分…いらないよなって…。」

「それから?」

「それから!?」

彼女の質問の意図がわからなくて、同じ言葉を繰り返した。

彼女は、宇治金時のかき氷を食べながら、

「だから…、それだけなの?誰かと合わないとか…あっ、矢口さんはほとんどか…。ま、別の理由…。」

と言って、おでこを押さえた。

どうやら、キーンとなったのだろう。
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