夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
苦笑した後に自分は、

「これと言って…。でも、それが一番のやり甲斐だったしな…。」

と、答えてかき氷を口に運んだ。

「ふ〜ん…。」

「納得した?」

「全然…、でも私には何とも言えないな。」

「だろうね。じゃ、この話はおしまい。」

「ううん、私じゃ、人生経験値が足らないから…、お母さんに話して。」

「はっ?なんで、大沢さんのお母さんが出てくるわけ?」

「だって…、ちょうど後ろにいるもん。」

「なぬ!?」

振り返ると、自分と同じくらいの歳の女性が立っていた。
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