夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「ハイハイ、お疲れ様でした。」

急に素っ気なくなった。
このあたりは、今時の子だと感じる。

「ハハッ、じゃぁね。やる気を無くしてる矢口は帰ります。」

軽く手を挙げ出口に向かった。

「なんですって!?」

背中に彼女の声。

マズった…。

一言多いんだよな…自分。だから、この歳で未だに独身なんだと痛感する。

それにしても、こういうこと、聞き流さないんだよな、この子。
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