夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「大公園なんて…久しぶりだな…。」

自分はふと呟いた。

「そうね…、私は成人式の時以来かな。ここで、待ち合わせしたから。子連れで。」

と、千尋さんが大沢さんを見ながら言った。

「そっか…。何人かいたな、子連れ…。」

自分も大沢さんを見た。

「なんですか!?」

どうやら、自分の視線が気に入らないようだ。

「別に…。ただ、あの成人式の時に、赤ちゃんで大沢さんが居たんだと思うとね。」
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