夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「なんだよ、矢口!ドケよ!殴るぞ!」

「あっ、中林の事が好きなんだ!こんなキツネみたいなのを!」

脅しと冷やかしが飛ぶ。

でも、矢口は、

「やめるまでどかない…。」

怯まずに立ち続けた。

「じゃあ、殴るぞ!」

一人が握りこぶしを作って矢口に近づく。

しかし、矢口は、微動だにしなかった。
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