夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「ねぇ、なんであの時、何も言ってくれなかったの?正直、ナヨっとした感じでしか印象がなかった矢口君を、格好いいって思ったんだよ。」

中学生の中林が、矢口を見下ろした。

「………したんだ…。」

「なんて!?」

「意識したんだよ、好きなのかって聞かれて…。」

矢口の顔が赤く染まった。
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