夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「矢口君、大丈夫?」

「………て。」

「えっ!?」

矢口は、立ち上がりながら、

「離れて…。岸山さんもイジメられるよ…。」

岸山を軽く押した。

岸山はその反動で2歩程後退し、そこには顔を青ざめさせた中林がいた。

矢口は、その二人を暫く見つめた後、体を翻して背を向けると教室を出て行った。
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