それぞれの場合


「あれ?なにしてんの?」


外に出たら
女子トイレから
ボンヤリと知った顔の人が出てきた。


「え…いや、なんか
中に居ずらくて…」


「あれ!音和ちゃんだよね?」

「あっ…はい」


「大きくなったね!
今年は……中学入学じゃん!
はやーい!
あっアタシのこと覚えてる?」


「……え……」


「あっはっはっ
いっぱいいるからね~
仕方ないかあ!
アタシ、三宅 愛里
三宅おばちゃんでもいいよ」


こんな優しい人
居たっけ…?


「あの、じゃあ、
あい…り…さんで…」


「あはっありがとう!」



話しやすいなあ…



でも愛里さんは
部屋に戻ろうとした
私は少し嫌で…


「行かないの?」


「……つまらないんです」


「アタシ音和ちゃんと
色々話したいんだけどな
行かない?」


愛里さんが居るなら…


……いーかな



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