それぞれの場合
「……音和ちゃん?」
「……ごめっ…んなさい」
「えっちょっ!!
音和ちゃん!
なんで泣くの…」
「私が馬鹿だったから…!
愛里さんの……
言葉が、」
ただただ…騒がしい部屋の端で
泣くことしかできなくて
愛里さんは
頭をよしよし撫でてくれた
そして、私が
頭では分かっていても
分かりたくないことを
愛里さんは代わりに言ってくれた
「難しいんだよね…
頭では理解してても
気持ちが追い付かない…
子供扱いされるのが
嫌なんだよね?
でもね、今の音和ちゃんは
まだ完全に大人じゃないんだよ。
音和ちゃんが
ここからどう頑張るかで
大人になっていくんだと思う…」
とても素直に、心に届いた。
いままでずっと
人の言葉を拒んでいた心が
ちゃんと…受け止めた