昼の部屋、暗がりで。


私がこの部屋に入ったとき、涼とした風が一気に包み込んできた。


ここに来るのは、自分の意志とはかけ離れていたけれども、入ってしまったからには後戻りが出来ないことは、薄々感づいていた。


気付いたら彼に連れられてきた、全てが白い部屋。


キンと冷えた空気は、匂いまでも冷点を迎えさせられたかのよう。


遠い昔、こことよく似たどこかにいたことがある気もするけれど、記憶は朧で霞がかって、はっきりと思い出せない。


濁とした意識ごと形づくるかのように、私を受け止めてくれた彼が、「ようこそ」と呟いた。

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