大学生、それぞれの恋愛
少しばかり沈黙が流れる。
三波くんも手の動きを一旦止めている。
「香耶ちゃんの元カレが太一なの?」
私はコクりと頷いた。
「あー…そうなんだ」
三波くんは困ったように笑った。黄色がかった間接照明にその表情が照らされた。
「まだ、引きずってる?」
私はこの質問に対しての答えを素直に答えていいのか迷った。
私は太一のことが今だに好きなんだ。わかってる。
だけど…
「そんなことないよ、もうすっかり吹っ切れてるよ!」
明るい声で三波くんを見て答えた。
そんな私を見て、三波くんはますます困ったように笑った。
「香耶ちゃん、じゃあなんでそんなに辛そうに笑うの?」