大学生、それぞれの恋愛
最低だとわかっていても、
君のことが大好きだったから君のことを忘れられていない。
だから朱音はなんとなく君に似ている。
君には気になる人がいる、て別れてからの君からの告白を断ったのに。
本当に勝手だとわかっている。
だけど、断ってから泣いている君、走り去っていく君が忘れられなくて本当は君が好きなんだって思った。
「太一バイバーイ」
4限が終わって、朱音は一人で明るい調子で帰っていった。
「バイバイ」
と俺も手を小さく振って、かばんに荷物をまとめて講義室を出た。
今日の4限の授業は実験でかなり延びてしまった。レポートの提出が終わるまで帰れない制度はなかなかきつい。
時計を確認するとすでに4限の授業が終わってから2時間経った8時15分を針は示していた。
付き合ったきっかけは
朱音から告白してくれたことだった。
嬉しかった。
ただそれだけ。