大学生、それぞれの恋愛
「いいんじゃないの?」
本音じゃない。
だけど、俺がここで三波を否定するのもなんだか変だし、とりあえず曖昧に答える。
「ふーん。太一は彼女いるしな、香耶ちゃんのこと気にかけるのもおかしな話だもんな」
ギクッとした。
若干、手に持っていた携帯を落としそうになる。
俺は平静を装って、携帯を机の上に置く。
「彼女とはどうなの?」
三波は俺をまっすぐ見ながら尋ねる。
「どう、とは一体?」
「うまくいってんの?てこと〜」
すぐに三波はおちゃらけた表情を見せて、詳しく聞かせろよ〜なんて笑っている。
「まぁ、俺の話はいいじゃないか」
とりあえず三波にこれ以上変なこと聞かれたくなかったから、無理矢理話を終わらせる。
「三波はさ、香耶と話てどうだったの?」
気にかけるのはおかしい、そんな風に思っていても、どうしてもいまの香耶のことが気になった。